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数納 広哉; 奥村 雅彦; 町田 昌彦
地盤工学会誌, 67(10), p.34 - 35, 2019/10
福島第一原子力発電所事故により放射性セシウムが大気中へ放出され、その一部は福島県を中心に陸地へと降着した。降着した放射性セシウムは土壌粘土鉱物との強い結合により土壌表層に留まり、降着量の多い地域は高い放射線量を示した。国・自治体等は除染を推進し放射線量低減に大きく貢献したが、大量の廃棄土壌が残された。廃棄土壌を減容するには、詳細かつ正確な土壌粘土鉱物への吸着機構そして吸着状態の科学的理解が不可欠である。また、除染未実施の山林では放射性セシウムの一部は菌類に保持され、特に野生のキノコに濃縮することが観察されたが、その濃縮機構解明は重要な研究課題となっている。本技術報告では、以上の陸地降着放射性セシウムに関する二つの研究課題に対し、最新の計算科学技術を用いて分かったこと及び今後の研究や実施すべき方策等への展望を記す。
数納 広哉; 町田 昌彦
Chemical Physics Letters, 730, p.26 - 31, 2019/09
被引用回数:1 パーセンタイル:4.21(Chemistry, Physical)Csを蓄積することで知られるキノコ中の色素分子であるノルバジオンA(NBA)のCsおよびK, Na錯体に関する量子化学計算を行った。Otaらによる2段階数値計算手法を用いて水溶液中でのアルカリ金属カチオン錯体化選択性を調べた。この手法を中性および2重, 4重脱プロトンNBAに適用することにより、Cs選択性は高pHで、2重脱プロトンNBAが支配的となる場合にのみ現れることを確認し、これが実験結果と一致していることがわかった。これは当計算手法を用いた生体分子への最初の応用例であり、その選択性は特異性を示している。
大貫 敏彦; 坂本 文徳; 香西 直文; 難波 謙二*; 根田 仁*; 佐々木 祥人; 新里 忠史; 渡辺 直子*; 小崎 完*
Environmental Science; Processes & Impacts, 21(7), p.1164 - 1173, 2019/07
被引用回数:10 パーセンタイル:44.69(Chemistry, Analytical)福島第一原子力発電所事故により降下した放射性セシウム(以下、Csとする)の挙動及び関連する放射線学的影響は、表層土壌から森林生態系へのCsの移動性に大きく関係する。本研究では、福島県飯舘の森林で採取した野生きのこ子実体へのCs蓄積量を測定した。土壌から野生きのこ子実体へのCs移行係数(TF)は10から10の間であった。この範囲は、チェルノブイリ事故後にヨーロッパのきのこについて報告された値、及び核実験降下物に対する日本のきのこについて報告された値の範囲と類似していた。野生きのこのTF値と、704種類のきのこ菌糸をCsを含む栄養寒天培地で生育したときのTF値とを比較したところ、野生きのこのTF値の方が低かった。寒天培地に1重量%の鉱物(ゼオライト等)を加えたところTFは0.1以下になった。添加した鉱物がきのこによるCs吸収を低下させることが明らかとなった。
大貫 敏彦; 相場 幸敏*; 坂本 文徳; 香西 直文; 新里 忠史; 佐々木 祥人
Scientific Reports (Internet), 6, p.29866_1 - 29866_6, 2016/07
被引用回数:10 パーセンタイル:31.37(Multidisciplinary Sciences)放射性Csの汚染原木からキノコへの移行経路を、線スペクトロスコピー、オートラジオグラフィー及びX線マイクロCTにより調べた結果、原木からキノコに直接移行する経路が存在することを明らかにした。
坂本 文徳; 大貫 敏彦; 熊田 淳*; 長谷川 孝則*
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所の事故により、福島県土の7割を占める森林が広く汚染された。住民の内部被ばくの軽減、および中山間地域の重要な産業を再生するためには、林床等に生育する特用林産物の汚染を軽減する技術開発が急務である。このため、本試験では、福島県内で年間16,423t(平成13年度)発生するきのこ廃菌床利用を目的としシイタケ,ナメコ,マイタケ廃菌床と未使用オガ粉を、放射性Csで汚染された林床の土壌表層に104日間敷設し、濃集能を評価した。全廃菌床で未使用オガ粉より高い濃集能が確認された。濃集能の順位が資材の初期腐朽度の順に高く、殺菌資材より無殺菌資材が高かったことから、濃集に腐生菌が関与していることが示唆された。放射性セシウム濃集能を確認した。
坂本 文徳; 香西 直文; 椎名 和弘; 田中 健之
no journal, ,
福島第一原子力発電所から放出された放射性セシウムは福島県を中心として東北・関東の広い地域を汚染した。現在も、一部の農林水産物で摂取及び出荷制限が続いている。野生のきのこや山菜は、多くの地域で摂取制限が続いている。我々は、現状把握と今後の対策に資することを目的として福島県内の野生きのこの汚染状況を多角的に調べるため約40サンプルのきのこを採集した。予想されるとおり、ほとんどのきのこでCs-137とCs-134の移行係数は同程度だった。そのうち、Cs-137を一番濃集したきのこはワカクサタケの1.210Bq/kgであった。逆に、一番濃集しないきのこはアオロウジの1.310Bq/kgであった。移行係数(きのこ放射能/土壌放射能)が一番大きいきのこはワカクサタケの37であった。逆に、移行係数が一番小さいのはアオロウジの4.810であった。同じ種類のきのこでも、生える場所により移行係数に差が現れた。別の実験で培養期間により放射性セシウムの濃集量が異なる結果を得ており、放射性セシウムの濃集量はきのこの成長速度等に影響を受けるのではないかと推測した。発表では、一つ一つのきのこへの放射性セシウム濃集量と移行係数を報告するとともに、寒天培地で培養したきのこ菌糸との比較結果についても報告する予定である。
大貫 敏彦; 坂本 文徳; 香西 直文
no journal, ,
食用きのこへの放射性セシウムの濃集を抑制する材料の開発を目指して、鉱物のセシウム吸着能を利用した抑制材の開発に取り組んだ。その結果、ゼオライトを主要鉱物とした材料が有効であることを明らかにした。
坂本 文徳; 大貫 敏彦; 香西 直文
no journal, ,
2011年3月に発生した東日本大震災を発端として福島第一原子力発電所由来の放射性セシウムが福島県内を中心に広範囲に飛散した。放射性セシウムは動植物へ取り込まれ、一部の農林水産物で摂取及び出荷制限が続いている。東北地方では、農産物への放射性セシウム濃集が現在も問題になっており、特に地表に近い部分で収穫されるキノコは重大な影響を受けている。放射性セシウムを濃集する化合物としてプルシアンブルー(以下、PB)が知られており、キノコ栽培の培地にPBを添加することでキノコへの放射性セシウム濃集が抑制されることが報告されている。しかし、PBはきのこに対して成長を阻害することが知られている。またシアン化合物でもあるので、消費者の安心に対する懸念も心配される。そこで、我々は、きのこへの放射性セシウム濃集を阻害するPBに代わる化合物の探索を試みた。
大貫 敏彦; 坂本 文徳; 香西 直文; 田中 健之; 行川 淳; 山崎 信哉*
no journal, ,
福島において廃菌床を用いて放射性セシウムの濃集について検討した。その結果、廃菌床には廃菌床下部のリター層からの濃集の他に、表面流による濃集及び林内雨による濃集が寄与することを明らかにした。
坂本 文徳; 香西 直文; 田中 万也
no journal, ,
福島第一原子力発電所の事故により環境中に大量のCsが放出された。森林地帯に降下したCsの一部は植物に取り込まれた。きのこがCsを濃集することは以前から知られている。しかし、鉱物が吸着したCsは長く保持されることが知られているが、きのこが濃集したCsの動態の詳細は調べられていない。そこで、今回天然のきのこ子実体へのCsの濃集割合を調べるとともに、きのこに濃集したCsの動態を菌糸体を利用して調査した。きのこ子実体に濃集したCsの放射能は1.610 - 1.310 Bq/kgの範囲だった。室内実験での結果から、菌糸体が旺盛に繁殖している間はCsは高く濃集するが、菌糸体の繁殖を終えるとともにCsは再拡散することを確認した。菌糸を内包したバイオマットを利用した野外実験の結果、35日間の長期間設置ではCSの濃集は確認できなかったが、8日間の設置でCsが濃集することを確認した。これは室内実験と同様の結果であり、きのこは一度濃集したCsを環境中に再放出すると考えられる。
坂本 文徳; 香西 直文; 田中 万也
no journal, ,
2011年3月に発生した東日本大震災を発端として福島第一原子力発電所由来の放射性セシウムが福島県内を中心に広範囲に飛散した。放射性セシウムは生物にとってストレスとなるが、きのこが放射性セシウムを濃集することは以前から知られている。しかし、同一きのこの菌糸体と子実体で放射性セシウムの濃集割合にどの程度差があるのか詳しく調べられていない。そこで、我々は同じ種類のきのこを利用し、そのきのこの子実体と菌糸体に濃集する放射性セシウムの放射能を測定し、両者を比較検討した。また、子実体の傘と柄の部分で放射性セシウムの濃集割合に差があるのか調べた。その結果、総じて子実体への濃集割合が高かったが、濃集率の高低の傾向はきのこの種類により子実体でも菌糸体でも同様であると考えられる。アカヒダワカフサタケの傘と柄に濃集したCs-137の放射能の結果から、柄よりも傘の方が3762%濃集割合が高かった。セシウムは代謝が活発な部位に濃集することが知られている。きのこの傘では胞子の生産が行われるため濃集率が高いと考えられる。
坂本 文徳; 香西 直文; 田中 万也; Grambow, B.*
no journal, ,
福島第一原発事故から6年が経過した。しかし、森林地帯の除染はほとんど手つかずのままである。福島県内の森林土壌の効率的な除染方法を開発するため、最初に我々は約1500種類の真菌によるCs-137の濃集試験を通して真菌の菌糸に濃集するCs-137の放射能を評価する方法を考案した。そして、栄養培地、Cs-137を効率的に濃集する真菌の菌糸、そしてゼオライト, バーミキュライト, 金雲母の混合鉱物で構成される薄い除染バッグを製作した。その除染バッグは福島の森林内の汚染土壌からCs-137を濃集した。鉱物無しでは、菌糸の死後Cs-137が環境中に再放出する。鉱物を加えることにより、菌糸中のCs-137は菌糸の死後も鉱物に安定的に固定された。
坂本 文徳; Guido-Garcia, F.; 田中 万也; 香西 直文
no journal, ,
森林における放射性セシウム(Cs)循環機構解明研究の一環として、本研究ではきのこによるCs濃集の生化学的解明を目的としている。種が同定されているきのこ数種類について、菌糸体の培養過程におけるCs濃集挙動を調べた。その結果、種が同じでも株が異なるとCsの濃集量が大きく異なることが明らかとなった。本研究では、きのこ生体内のCs輸送・蓄積における生化学反応、特にタンパク質の関与について議論する。
Guido-Garcia, F.; 木村 建貴*; 坂本 文徳; 香西 直文; David, K.*; Grambow, B.*; 春間 俊克; 山路 恵子*
no journal, ,
きのこ類(菌類)は土壌から放射性セシウムを蓄積し、森林におけるCs循環に大きく寄与すると考えられている。その機構を解明するために、本研究では、きのこ菌糸(Phlebiopsis gigantean)による鉱物の溶解挙動と、しいたけ(Lentinula edodes)子実体におけるCsとKの濃度比Cs/Kを調べた。用いた菌糸は、鉱物溶解能を持つことが知られているシデロフォア生産バクテリアよりも高い鉱物溶解能を示した。鉱物から溶け出たFeは有機物との安定錯体ではなかった。シイタケ子実体のCs/K値の局所分布を調べたところ、Cs/K値はほぼ一定であり、CsがKに比例して蓄積されていること及びCsの特異的結合サイトが椎茸にはないことが明らかになった。
佐々木 祥人; 板橋 康弘*; 鴫原 隆*; 操上 広志; 新里 忠史
no journal, ,
福島第一原子力発電所の事故により、放射性物質が環境中に放出された。福島県の県土の約70%を占める森林においても半減期が長い放射性セシウムが残存している。林産物の一つであるキノコにおいて放射性セシウムが移行しやすいことが知られている。本報告では、子実体への放射性セシウム移行機構を明らかにするために行った担子菌ヒラタケを用いた培養試験結果について報告する。